テレビへ一言
約二週間風邪に苦しめられ、やっと普通の風邪レベルに落ち着いた。熱と咳で苦しくて、アポイントの無い日は会社を休み、ただ寝ているだけ。結局4日半休んでしまった。本を読む気力も湧かないので、起きているときはボーッとテレビを見ていた。と言うことで、テレビについて一言。
テレビが我が家に来たのは、小学生の低学年の頃だったか。昭和の30年代で、氷の冷蔵庫、首振り扇風機、七輪、行水などの風景が私の記憶にある。田舎のせいもあるが、継ぎ当ての学生服がそれほどおかしくない時代だった。三角ベース、魚取り、山遊び、チャンバラ遊びに夢中で、テレビにそれほど感慨が深かったわけではないが、やはりかじりついていたような気がする。
アメリカのドラマに出てくる生活は夢のようで、テレビは新しいモノ、価値あるモノ、生き生きした未来のモノの象徴だった。当時の作家永六輔などの本を読むと、作り手が暗中模索でも必死で良いモノを作ろうとしていたようだ。「パパは何でも知っている」、「ルーシーショー」、「三菱ダイヤモンドアワー」、「私の秘密」、「バス通り裏」、「番頭はんと丁稚どん」なんて番組を覚えている。
その後、モノが豊かになり、テレビも私の価値観では低くなったが、今回改めて見て面白い番組が無いねえ。勿論好みなのだけれど、ドラマは底が浅いし、バラエティは悪ふざけと楽屋落ち。同じタレントがあちこちに出ていて変わり映えがしない。ドキュメンタリーは作り物っぽくて、スポーツ番組はカメラワークが下手くそ。このままではテレビの未来は無いのではないか、と思ってしまった。
まずCMが多すぎる。スポンサーにとって本当にCMが必要なのだろうか。我が家の子ども達は、あまりテレビを見ないし、リアルタイムで見たい番組以外は録画しCMを飛ばして見ている。彼らには、テレビに思い入れなど無い。物心ついたら家に有った単なる家電製品だ。むしろインターネットでの情報入手、携帯電話での会話、MDウォークマンの音楽が貴重品で、テレビは二の次三の次の位置づけ。高いスポンサー費を出しても見られないCMは無意味ではないか。良い番組を提供するという事自体がその企業のステータスという考えに至らないだろうか。くだらないCMを垂れ流すことが実はアンチ企業、アンチ商品のもとになっていることに企業も気づくべきだと思う。良い番組をCM少なく提供する事によって、提供企業のステイタスは間違いなく上がる。ソニーの「世界遺産」、出光石油の「題名の無い音楽会」など良い事例は多々有るのに。
続いて、CMまたぎの番組作りが多いのには吃驚。それが視聴者の興味を引くと本当に思っているのだろうか。引き延ばした割にはつまらない結末がほとんどだし、ダブっているので実質の放送時間は少なくなる。視聴者を馬鹿にしているのでなければ、放送人の見識を疑いたくなる作り方だ。不勉強と下請け任せの為に番組製作の技術やテクニックが無くなって居るのではないか。
特に、サッカー中継でのリプレイは酷い。試合が続行されているにも関わらず、リプレイ画像をなぜ流し続けるのだろう。サッカーは3秒有れば点が入るスポーツだ。リプレイ中に点が入って大問題になるまで、リプレイ狂いは直ら無いのだろうなあ。カメラワークも本当に下手くそだ。その競技の本質や面白さを知らないカメラマンが撮っているのかなあ。テレビ局は、アイドルに野球解説させれば視聴者は喜ぶと思っているらしいから、何を言っても無駄か。
面白い番組もあった。脚本が煮詰められていて出演者が良い演技をするという単純な事実だ。なるほど見て楽しい。「英語で喋らナイト」、「ぷっすま」、「救急病棟」、「優しい時間」など感心して見てました。海外の番組でも、BBCのドキュメンタリーやアメリカの「アクターズスタジオ」など、見習うべき素晴らしい内容の番組はたくさんあるのに、どうして日本の番組はこんなにお粗末になってしまったんだろう。
結局、行き着く先は作る側の能力、人材に尽きる。私は20年ほど前、D通を使ってテレビ番組の企画もやったし、テレビ局のしかるべきポジションの知人も多いので、多少内情は知っているが、上記したような人材のレベル低下が一番問題。給料は安くても良いモノを作りたいという情熱を持った人間が作るべきだろう。だいたい制作費が高すぎるし、社員の給料が高すぎる。仕事をしない人間が不当に高い報酬を得るという業界は没落させるしかない。銀行、消費者金融、官庁、政治家、出版社、マスコミ、テレビ業界。しっかりしろよ。
画像の力は強力だし、速報性、具体性ではテレビに勝るモノはないが、業界自らがその特質を殺すようでは話しにならない。テレビの現状は、間違いなく衰退の道を転げ落ちている。中にいる業界人だけが気づいていないのだったら悲しいことだ。インターネットとの連動など、新しい方向性はいくらでもある。ラジオも面白いメディアだ。テレビ創成期の熱を再燃させて、今こそ新たにテレビ新時代を築くべき時だと思う。
ライブドアの堀江社長がニッポン放送株を買い集めているが、彼は個人名でソーシャルネットワークにも登録していて、若い人達と直接接する機会を作っているし、私もお友達としてリンクさせてもらっている。既存の体制人と同じようなパフォーマンスを見せる楽天の三木谷社長とは違う行き方をしている点は評価できる。もしかすると新しい世界が開けるかも知れない。
でも、結局無批判にマスコミの報道を取り入れたり、ワイドショーに憂き身をやつす視聴者を見ると、民度の低い国民はそれなりのモノしか獲得できない、という当たり前の事実に行き着くのが辛いなあ。
« 風邪かあ。 | Main | 荒とよで飲みます。 »




Comments