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January 21, 2005

地下鉄の情景

銀座グラフィックギャラリーで「七つの顔のアサバ展」を見るために、地下鉄に乗ろうとして驚いた。銀座線の銀色の車体にTBSのテレビ宣伝ポスターらしき物がデカデカと張られていて醜悪だったからだ。ポスターそのものは、先日始まったH2というかったるいドラマ(原作漫画は大好きだが、テレビは演技も脚本も駄目)を明るく表現したカッティングシートだが、あの車体を埋め尽くすほど何枚も貼られていて、駅の雰囲気も車体の彩色もぶち壊しだった。
本来の車体デザインを無視してあのポスターを貼らせるTBSもTBSだが、東京メトロも金に目が眩んだのだろうか。間に入るデザイナーや広告代理店は分かってやっているはずだが、ポスター単体でのデザインがいくら良くても、車体に貼られた時にどのように見えるかを考慮してきちんとレイアウトすべきなのだ。今のやり方はセンスのかけらもないと言わざるを得ない。
考えてみると、日本には街の情景を無視したデザインが溢れかえっていて、それぞれが自己主張するために醜悪な町並みになっている事が多い。乱立するビル、色とりどりの看板・ネオンサイン、それに電信柱。逆の意味では、日本中どこに行っても同じような駅やビルばかりなのもみっともない。石畳と高さを制限した静謐なパリの町並みや、木造建築を生かした佐原の町並みなど、やれば出来るのに大部分の街はカオス状態になっている。
本来、日本人のデザインや色に対する感覚は鋭く繊細だったはずなのだが、制限を解かれるとアナーキー状態になるというのも日本人の特質なのかも知れない。実は20年ほど前に、当時の新幹線の車体に、新しい東レのロゴマークを表現したいと広告代理店経由で申し入れ、断られたのが私だったので感慨深かったのです。

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